青森県知事選

 反核燃知事選、「鉄人平野」奮戦す


青森県知事選は、1月9日告示26日投票で行なわれた。立候補は、木村守男(無現65自民・公明・保守新推薦)、横山北斗(無新39民主・自由・無所属の会・県民協会推薦)、平野良一(無新74社民・共産推薦)、石舘恒治(無新58)(以上届け出順)の4氏。結果は、木村31万3312票(当選)、横山22万9218票、平野3万4970票、石舘7184票で、平野さんは残念な結果に終わった。
私は、いろりばた会議の皆さんから派遣されるという形で、途中の18日から、25日までお手伝いしたに過ぎないし、選挙に至るまでの経過も大雑把にしか聞かされていないので、くわしい事は何も分からないといっていい。したがって、感想だけしか報告できない事を、あらかじめお断りしておく。
そのうえで、振り返ってみると、私にとって八年ぶりの青森は、雪と寒さの青森らしい青森だった。その中で、17日間の長丁場を280回を越える街頭演説、個人演説会を入れたら300回を越そうという演説をこなし、県内を駆け巡った平野さんの体力と精神力は、驚異的なものと改めて感心した。終盤「鉄人平野」というあだ名がついたのも当然だった。実に戸籍上の年齢などというものは、その人の気持ちのありようで、全く当てにならないと痛感した。平野さんは核燃サイクルを止めるには、再処理工場を稼動させないことだと主張し、この選挙はチャンスだと訴えた。この訴えは、道行く人々に説得力をもって伝わったように見えた。道行く人々や車からは、日を追うごとに反応が増えてきたように思う。しかし、結果は、横山に反木村の大部分の票が行った。
このことの原因、そしてまたこれらをどう克服していくかは、地元を中心とした運動総体の問題として徹底して論議されなければなるまい。選挙をどうみるかという論点も重要である。いつも間近になってから、それも不戦敗は許されないという論議から始まる候補者選びなど、様々な課題があろう。いずれにしても、勝てる選挙を発想する事が大事ではないか。世論調査では、県民の6割が核燃サイクルには反対なのだから。
今も耳に残るのは平野さんと二人三脚で街頭行動をやりぬいた、鹿内博県議の、「問われているのは候補者ではありません。私たち一人一人、県民が問われているのです」という言葉である。その話の時ちょうど私の目の前で、子ども連れの若い夫婦が車に乗って停まっていた。その言葉を聞いて、母親が座りなおし、改めて私たちに手を振った。この声が、この想いが、多くの県民に届いたとき、わたしたちは選挙に勝利し、核のごみ捨て場から青森県を救い出す事ができるのだろうと思う。
今回このような形で、派遣してくださった皆さんにお礼を申し上げると共に、東京から現地を支援する最もいい方法は何かなど、これまでの運動をさらに発展させる共同の作業に取り組んでいきたいと考えている。選挙のたびごとだけではなく、もっとたびたび青森県を訪ね古い友人とも話さなければならないなと、あらためて思っている。 


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